minimalistic

がんばらないで自由になるためのブログ

時間貯蓄銀行

貯金をするように時間を貯めておいて、必要な時に時間を引き出せたらどんなにすばらしいことでしょうか。時間貯蓄銀行では、そんなみなさまの夢をかなえる貯蓄プランをご用意しております。

 

 有名な童話“モモ”のお話に出てくる時間貯蓄銀行は、時間を浪費する人々から少しずつ時間を受け取り、時間を冷凍保存します。しかし、貯蓄したはずの時間は、1秒たりと戻ってきません。冷凍保存された時間は、灰色の男たちの手に渡ってしまうのです。しかも、時間を奪われた当人は、時間を貯蓄したという記憶を消され、無駄な時間を極限まで少なくするような生活をずっと続けることになります。

 

忙しく働く者は、段ボールを噛んでいるようなひどい食事を腹に収めるためにスピード料理の店に行列を作ります。

子供たちは一か所に集められ、仕事に役立つ技術を習得させられます。子供たちの名前は効率的な番号に置き換えられ、その行動は完璧に管理されます。

 

“モモ”のお話は、ずっと昔に作られたものですが、いまの状況をピタリと当てています。ファストフードやコンビニは“スピード料理 レストラン・ニノ”そのものです。マイナンバーの施行は、管理された子供たちに名前の代わりに付けられた記号“MUX/763/y”や灰色の男たちにつけられた記号“BLW/553/c”と同じように無機質な番号で私たちの名前を置き換え、行動を管理するものです。

 

“モモ”のお話では、時間貯蓄銀行の巨大な冷凍倉庫の中に集められた時間を主人公の少女モモが解放してくれます。しかし、現実の世界ではどうなるのでしょうか。時間を冷凍して保存することなど現実にはできませんから、奪われた時間は永遠に手元には戻ってこないのでしょうか。

 

あなたは時間貯蓄銀行から派遣された灰色の男“XYQ/384/b”氏と契約しませんでしたか?

 

記憶にありませんか?