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vaio Pro11 と vaio SX12 を使ってみてキーピッチ17mmの良さを感じた

世の中では「パソコンのキーボードはキーピッチ19mmが最良」と言われていますが、本当にそうでしょうか?

 

 キーピッチ19mmは常に最良なのか

vaio SX12 に搭載されたキーボードは、キーピッチが19mmの所謂「フルサイズ」です。vaioのうたい文句でも19mmであることを前面に押し出しています。確かに、デスクトップPCの標準的なキーピッチは19mmですから、デスクトップPCとノートPCを両方使う人には19mmの方が都合が良いかもしれません。特に、会社から支給されたデスクトップPCで仕事をしていてキーボードの持ち込みが禁止されているような環境にいる人は、「自分に最適なキーピッチ」なんて考えることなく標準品に順応しているでしょう。

キーピッチ19mmだとタッチタイピングができない人々

世の中の人がみんなキーピッチ19mmを良いと思っているかどうかですが、qwertyキーボードが世界標準になった時と同様に、使いやすさを無視して標準規格に順応しているのではないでしょうか。

世の中の半分は男性でもう半分は女性ですから、手指のサイズや可動域に着目すると、19mmピッチがいついかなる時でも最適であるとはとても言えないはずです。

試しに、右人差し指を「J」に置いた状態で、手首をパームレストから動かさずに小指でどのキーを押せるか試してみてください。この状態で「Back space」キーを押すことができれば、あなたとそのキーボードの相性は良いです。

もう一つ、左人差し指を「f」に置いた状態で、手首をパームレストから動かさずに小指でどのキーを押せるか試してみてください。この状態で「半角/全角」キーを押すことができれば、あなたとそのキーボードの相性は良いです。

上記のどちらか一方でもできない場合、文章の入力で頻繁に使われるキーである「Back space」や「全角/半角」キーを押すたびに手を大きく動かすか捻るかする必要が生じてしまいます。つまり手に負担がかかるわけです。手をホームポジションから移動させると、再び手をホームポジションに戻さないとタッチタイピングができません。ちょくちょく手がホームポジションから離れてしまうような大きなサイズのキーボードは、手にあったキーボートではありません。

指が長くて太い人は19mmピッチ、指が短くて細い人は17mmピッチ、こどもには14~16mmピッチのバリエーションがあっていいはず

vaio Pro11 のキーピッチは、私にとって、ホームポジションに手を置いたまますべてのキーに指が届くという優れたものでした。これは、PCを膝に置いて使うとき、手と膝でPCを挟むような形となり、PCを安定して保持することができてとても便利でした。

vaio SX12を少し使ってみて、「Back space」や「全角/半角」キーを押すたびに手をずらす必要があることに気づきました。膝の上に置いて使う場合PCが安定しないですし、キーボードのホームポジションに手を置いたまま入力し続けるような作業ができなくなってしまいました。

キーピッチ17mmというと、大概のレビュー記事は「窮屈だが使えないことはない」と評価します。しかし、その記事を書いた人の手の大きさと自分の手の大きさが同じでない以上、17mm=窮屈とするのは間違いで、自分で触ってみてフィット感を確かめる必要があります。そして、PCメーカー・キーボードメーカーは、標準品(19mm)が全ての人に最適であるとは限らないという前提で商品展開してほしいです。

もう生産終了してしまいましたが、日本人に最適なキーボードとして開発された「マイクロトロンキーボード」は、キーピッチ17mmで設計されています。標準品である19mmピッチは、日本人と欧米人の平均的な体格差から考えると、日本人にとっては大きすぎるのではないでしょうか。また、こどもの手はもちろん小さいですが、それに合ったキーボードはほとんどリリースされていません。こどもの手のサイズに合わせてキーピッチ14, 15, 16, 17mmのキーボードをラインナップしたノートPCがあれば、こどもの成長に合わせた短いサイクルでの買い替え需要もありそうですが、そこに着目するメーカーは皆無です。

年齢・性別によらず、大柄な人と小柄な人では最適なキーピッチが違います。この記事で何を言いたいかというと、vaio Pro11→vaio SX12に進化したことで、vaio株式会社は、17mmピッチを好んでいたユーザーをごっそり失うかもしれないということです。

vaio SX12の性能等に惹かれて私は買ってしまいましたが、もしvaio株式会社が「vaio SX11」のようなものをリリースしてくれるなら、SX12からそれに乗り換えると思います。それくらい、17mmピッチは使いやすかったのです。

11型FullHD, 17mmピッチキーボード, 横幅260mm狭額縁, 重量650gというスペックの vaio SX11 のリリースを待っています。他のメーカーも17mmピッチのキーボードをラインナップに並べてください。特に東プレさんが静電容量無接点スイッチの17mmピッチ版を作ってくれたら、即買います。