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「頑張ってください」という定型文を使いたくない

「頑張ってください」という表現は、手紙やメールなどでよく見るものですが、私が文章を書く時にはあまり多様しないように気を付けています。

 エールを送る言葉、激励の言葉として「頑張ってください」と口頭で言うことに関してはあまり気にならないのですが、文章中にこの言葉があると、どうしても、努力を強制するような雰囲気を醸し出してしまうような気がするのです。

たとえば、全身全霊で頑張っている最中の人に向けて「頑張ってください」と書いたとき、前後の文脈にもよりますが、「現状維持あるいは現状改善のために一層の努力をすべきである」と受け止められるかもしれません。もちろんそういう意図で書いたのならそれでいいのですが、単に「うまくいくようにお祈りしています」という気持ちを伝えたかったのだとすれば、意思疎通のすれ違いが生まれるかもしれません。

自分が頑張っているかどうかは他の人からは分かりにくいものだと思います。それと同様に、他人が頑張っているかどうかは、私が見たり聞いたりする範囲だけでは到底理解できないものだと思います。だからこそ、「あの人は今どれくらい頑張っているのか?」、「頑張ってという一文があの人の負担にならないか?」と考え始めると、書くべきか書かざるべきか悩んでしまいます。

「頑張ってください」という言葉は、定型文のようでいて実は使いどころが難しい表現なのではないかと思います。