あの健康食品の科学的根拠
持ち物は少なければ少ないほどよいと思っている私ですが、健康食品やサプリメントについては基本的に眉唾だと思っており、科学的根拠の乏しいものは買いません。
巷に溢れる「効能書きもどき」に騙されないで
「○○にお悩みの方に」というフレーズで様々な健康食品が売られていますが、有名なものであっても実は科学的根拠に乏しいものが多いのが実情です。広告に書かれていることは売る側の理論ですから、都合の良いことしか書かれていません。一見都合の悪いことが書かれているように見える場合もありますが、それは「落として持ち上げる」レトリックにすぎません。
正しい情報を知ったうえで買うのか買わないのかを決めたい人のために、広告のキャッチフレーズと第三者視点の評価を比べてみてみましょう。
イチョウ葉エキス
キャッチフレーズ
- 健常な中高年者の記憶力の精度や判断の正確さを向上させる
- 脳の血流を改善する
科学的根拠
- NCCIHが助成し、標準化されたイチョウ葉エキス製品(EGb-761)を用いた研究では、高齢者における認知症やアルツハイマー病の全発生率を下げる効果はないことが明らかとなりました。データをさらに分析した結果、イチョウには、認知機能の低下を遅らせたり、血圧を下げたり、高血圧の発症を抑えたりする効果もないことが明らかになりました。イチョウの記憶への影響評価研究(Ginkgo Evaluation of Memory study)として知られるこの臨床試験では、75歳以上のボランティア3,000人以上を募り、一日に240 mgのイチョウを摂取してもらいました。被験者には、平均で約6年間の追跡調査を行いました。
- 記憶力向上に関するイチョウの調査で、より小規模な研究の中には有望な結果を示したものもあります。しかし、国立老化研究所[米国]が助成した試験では、60歳以上の健康な成人200人以上にイチョウを6週間摂取してもらいましたが、記憶力は向上しませんでした。
- 全体的にみて、間欠性跛行の症状に対してイチョウが非常に有効であるという根拠も、まだ示されていません。しかし、小規模調査の中には軽度の改善を示すものが若干あります。耳鳴りに対するイチョウの有効性については、矛盾する結果が示されています。
イチョウ葉エキスについては、血液凝固を阻害するという点は科学的に確実性の高い事項ですが、認知や記憶に関しては信頼に足るデータがありません。
アサイー
キャッチフレーズ
- アンチエイジングや、眼精疲労に効果的
- ホルモンバランスを整える・乾燥や老化予防など美肌作りにも効果が期待されています
- ダイエットに効果的と言われています
科学的根拠
アサイーについては、「栄養価が比較的高く食べられるモノ」以上のものではなさそうです。
ウコン
キャッチフレーズ
科学的根拠
ウコンは過大評価されていますね。サプリメントとして買うほどのものではなさそうです。時々カレーを食べるくらいで十分でしょう。
キャッチフレーズを信用する前に、信頼できる情報源を確認しよう
これらの情報は、厚生労働省が主導する「統合医療」情報発信サイトに掲載されています。少なくとも販売業者のキャッチフレーズがいかに嘘くさいかがよくわかりました。
出典:厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業・「統合医療」情報発信サイト
イチョウ:http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/25.html
アサイー:http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/01.html
ウコン:http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/46.html