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糖質制限ダイエット

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持ち物は少なければ少ないほどよいと思っている私ですが、増やしたくないものナンバーワンは、皮下脂肪です。

 

 

 

皮下脂肪は余ったエネルギーの貯蔵庫

そもそも皮下脂肪って悪者なのか

体に脂肪が全くなかったらどうなるのか、スリムで素晴らしい人生になるでしょうか?当たり前なのに意外と知られていないことは、体脂肪を減らしすぎると、マッチョでも栄養不足で死亡する、ということです。「マッスル北村」で検索してみてください。体脂肪率3%以下からさらに絞った結果、筋肉質の体型であるにも関わらす“餓死”に至ったそうです。この例を見れば明らかですが、脂肪があることは決して悪いことではなく、生きるためには脂肪が必要です。

皮下脂肪も大切なエネルギー源なのですが・・・

体にある脂肪は「内臓脂肪」と「皮下脂肪」に分類できます。内臓脂肪は、お腹の中、特に腸の付近にたまる脂肪です。内臓脂肪は、「溜まりやすく減りやすい」という特徴を持っています。人が太り始める時、まずは内臓脂肪から増えていきます。内臓脂肪が少々ついただけでは外見はあまり変わりませんが、少しだけお腹が膨れてきたかなと感じたらそれは内臓脂肪が溜まっています。内臓脂肪は一時的な栄養不足に備えてエネルギーを脂肪の形で蓄えるものなので、簡単に増える反面、簡単に減らせます。

これに対して、皮下脂肪は、内臓脂肪として蓄えきれなかった脂肪を皮下に蓄えるのので、「溜まりにくく減りにくい」という特徴を持っています。例えれば、内臓脂肪が貯金箱で、皮下脂肪が定期預金みたいなものです。皮下脂肪が目立ってきたときには、内臓脂肪の方は満タンで、行き先のなくなったエネルギーが皮下に流れ込んでいます。

飽食の現代では脂肪は悪者

内臓脂肪と皮下脂肪という二段階の貯蔵システムがあるのは、人間が太古の昔に経験した飢餓状態への適応だったと考えられています。日常の生活において食料が十分にあるというのは人類の歴史から見ればごく最近のことで、人類の歴史の大部分は飢餓との戦いでした。3日くらい食料にありつけないのは当たり前という環境では、食べられるものは何でも食べる、食べたものはすべてエネルギーとして吸収し貯蔵する、というのが最も賢い選択でした。皮下脂肪がつくまで食べることができた人は、この時代ではむしろ勝ち組だったわけです。

現代では、必要な時に必要だけ食べることができるようになりました。しかしながら、太古の昔から飢餓に備えてきた人体はそう簡単に変化できませんでした。つまり、過剰に摂取したエネルギーを捨てるという機能を人間は持たないまま、飽食の現代を生きているのです。このため、糖やタンパク質の過剰摂取分は、すべて脂肪に変換されて体のあちこちに貯蔵されてしまいます。太古の昔であれば、貯蔵された脂肪は次の飢餓を乗り越えるためのお宝だったのですが、現代では、その脂肪の有効な使い道はありません。

なぜ人は糖質を大量に摂取してブクブク太るのか

糖はお財布にやさしいエネルギー源

農耕が始まって穀物を大量に生産することができるようになってから、人間は食料を長期間蓄えることができるようになりました。安定して穀物を得ることができるようになったおかげで、穀物は低価格で流通するようになりました。カロリーあたりの価格で言えば、穀物を始めとする糖質は、肉類などのタンパク質よりも格段に安くなりました。農耕が普及したころは、高くてお肉が買えないからお米主体の食生活になることで飢餓と無縁の生活を送ることができるようになったわけです。現代でもお財布がさみしい時は肉よりお米に手が出ます。

だからみんな糖質依存症になる

甘くておいしくお財布にもやさしいエネルギー源である糖質は、食事の中心に鎮座するようになりました。日本ではお米を“主食”とし、一日の栄養の半分以上が糖質由来です。白米におかずを合わせる食生活は「白米をいかにおいしく食べるか」に特化した糖質依存的なスタイルだと言えるでしょう。

体内で余った糖質はもれなく脂肪に変化する

「お米が好き」「白米LOVE!」というのは別に悪いことではありません。摂取カロリーの半分以上が糖質由来であっても別に悪いことではありません。しかしながら、あなたが食べたそのお米の持つエネルギーを使いきれなかった場合、それはもれなく脂肪に変換されてしまいます。少なくとも日本人の食生活では、脂質が多いから太るというよりは、糖質が多いから太るのです。

糖質を制限すると脂肪が減る

飽食の現代では糖質は不必要

飢餓の心配がない現代では、「明日以降糖質が一切摂取できなくなる」なんてことはありません。自分の体に脂肪を付けて飢餓に備える必要はもうないのです。今日必要な分の糖質が確保できれば十分ですし、それを炭水化物から摂取する必要も実はありません。

糖質はタンパク質を材料にして体内で合成できる

人間が必要とする糖質の量は意外と少量です。人間は、血中に5gの糖を維持できていれば生きてゆけますし、そうなるように自律的に調整しています。たった5gです。茶碗一杯のご飯の糖質が約60gですから、現代人がいかに糖質を取りすぎていることか、もうお分かりでしょう。さらに、人体は、タンパク質を糖に変換するシステムを持っています。タンパク質が十分に体内にあれば、そのタンパク質を利用して必要量の糖を賄うことができるのです。タンパク質も不足している場合には使っていない筋肉から順番に分解されてゆきますが、普通の食生活が送れているならそのような極限状態にはならないはずです。残念なことに、糖を必須アミノ酸に変換してタンパク質を作るシステムは人体にはありません。 

体内に糖質がない場合でも脂肪が代わりのエネルギーになる

ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源」という話を耳にしたことがあると思いますが、あれは嘘です。脳はブドウ糖(糖質由来)とケトン(脂質由来)を同時にエネルギーとして使用できます。また、ブドウ糖が不足したからといって脳の機能が低下することはなく、ブドウ糖が不足した分だけケトンが補充されます。

また、激しい運動は別として、日常生活で筋肉を使うような場面で使用されるエネルギーは、主に脂質由来です。糖は、一時的に身体能力を高めるために使用できるアイテムなのです。激しい運動をするとか重労働に従事するなどでない限り、糖質が不足しても脂肪が肩代わりしてくれます。

体に余分な糖質が残らないようにすると体は脂肪を使い始める

人間は、残念ながら、体内の余分な糖を捨てる機能を持っていません。このため、体内に余分な糖質がある限り脂肪を作り続けます。これが、体が消費する糖と摂取する糖のバランスが均衡した状態になると、糖から脂肪を作る経路はお休み状態となります。この状態でも、生きるために必要な脂質を内臓脂肪や皮下脂肪から取り出すことは続いているので、脂肪は少しずつ使われてゆきます。体内の糖の量がさらに少なくなると、糖が減った分を肩代わりするために脂肪が大量に分解されます。このとき、使い勝手の良い内臓脂肪を先に分解し、内臓脂肪を使い切りそうになったところで皮下脂肪の分解が始まります。体が皮下脂肪の分解に着手するのは最後の最後なのです。気になるほど皮下脂肪があるうちは、穀類その他の糖質を摂る必要はありません。その脂肪ががんばってくれます。

糖質をどれだけ制限しても完全にゼロにはならない

「そうはいっても程よく糖質も取った方がよいですよね。」とか「炭水化物をゼロにするのは危険」とかいう話題がネットにあふれていますが、あれは嘘です。あるいはダイエット関連グッズを売りたいためのセールストークに過ぎません。世の中はなぜか炭水化物に溢れています。外食でも食料品店でも、安く手に入るものは炭水化物(糖質)を主体としたものです。また、低糖質を謳ったレストランでも、米だったり芋だったり、こっそりと炭水化物(糖質)が入り込んでいたりします。

実は、本当に効果がある低糖質な食生活は、商業として成り立ちません。つまり、安くて腹いっぱいになるためには糖質が欠かせないのです。普通に生活をしていれば月に1~2回は外食をすることになると思いますが、普段糖質をどれだけ制限していても、その外食でかなりの糖質を摂取することになります。

何を言いたいかというと、完全な低糖質を目指しても、糖質をゼロにすることはできないので、家で食事をつくるような糖質量をコントロールできる状況では糖質ゼロを徹底してよいということです。それでも外食やカフェなどお付き合い上必要な場面が多ければ糖質過剰になるかもしれません。

いきなり極端な糖質制限を始めるとつらいのはなぜか

お米が主食=糖質依存症

糖質制限ダイエットが続かないという人が多いようで、結局元の体重に戻ってしまったり、むしろ前より増えてしまったりなんてことがあります。これらの原因の一つが「依存症」です。上の方にも書きましたが、炭水化物(糖質)は、一時的に身体能力を高めることができるアイテムです。それは精神的な意味でも同じで、糖質を摂取することで、 ドーパミンセロトニンノルアドレナリンなどの神経伝達物質が脳で分泌されます。これにより、脳の中で、気持ちいい、うれしいと感じる報酬系が刺激されます。これにより、「お米を食べる=気持ちいい」、「パスタを食べる=気持ちいい」という経験が定着してゆきます。

勘の良いかたはもうお気づきでしょうが、これは覚せい剤や麻薬と同じです。唯一にして最大の違いは、炭水化物は栄養として利用できるが覚せい剤や麻薬は何の役にも立たないというところです。痩せたいと思っているのにお米やパスタなどの炭水化物を絶つことができない人は、脳の機能の面から見れば、明らかに依存症なのです。

依存症なのですから当然禁断症状があります。いつも摂取しているアレが突然なくなったときの焦燥感や不安感は、アレを摂取することで一気に解消されます。ええ、もちろんご飯の話です。

「糖質がいつもちょっと足りない」状態を保つのが成功の秘訣

痩せられない原因が糖質依存症であると理解できれば、やるべきことは明らかです。タバコ、酒、麻薬、ギャンブルなど、いわゆる有害な依存症の治療を参考にすればよいのです。どのような依存症であれ、基本的には「少しずつ減らしてゆく」ことに尽きます。ダイエットに当てはめれば、これは、「糖質を少しずつ減らしてゆく」ことです。極端に減らすと禁断症状が出るのですから、少しずつ、少しずつ、気づかないくらいわずかに糖質を減らし続けるのがよいでしょう。「昨日より一口分だけご飯を減らしてみた」 を毎日続ければ、苦しむことなく脂肪とサヨナラできるでしょう。

(参考:大和薬品株式会社)
(参考:独立行政法人農畜産業振興機構)

(photo:カムラック)